チラシの作り方にはコツがあることをご存知でしょうか?チラシの色や書体、レイアウトは読み手に与える印象を大きく左右し、宣伝効果にも影響を与えます。宣伝効果を最大化させるには、チラシを作る手順やコツをしっかりとおさえておくことが大切です。ここではチラシを作る際の手順やコツ、注意点、チラシの効果や役割などについて解説します。
チラシを作るときは、どのような手順で進めていくとよいのでしょうか?今回は、店頭カウンターやテーブルなどに置いておくだけで販促効果が期待できる、チラシの作り方を工程ごとに紹介します。
まず、どのような内容のチラシを誰に向けて作成するのか、企画を考えるところからスタートします。効果的なチラシにするには、チラシを手に取ってもらいたい年代や性別などを絞り込み、「ターゲット層」を設定することが重要です。また、チラシで何を伝えたいのかという「目的」を明らかにしておくことも大切です。考えがまとまらないときは、5W1Hに当て込んでみると整理しやすくなります。「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」がわかれば、具体的にイメージしやすくなるでしょう。企画は、チラシのなかに伝えたい情報を抜け漏れなく盛り込むために欠かせない工程です。最初のこの時点でしっかりと情報を整理しておきましょう。
企画がまとまったら、タイトルやキャッチコピー、文章、写真やイラストなどの材料を準備しましょう。キャッチコピーには、一目で読み手に利益や当事者性が伝わる、完結でインパクトのある文言を入れます。写真やイラストには、告知したい商品やサービスを載せることで、文字情報を読まなくても一目で分かりやすくなります。必要なものだけを選定し、くれぐれも使いすぎには注意しましょう。文字だけでは平坦で読みにくいチラシになってしまいますが、写真やイラストを上手く組み合わせることで、視線を集めやすいチラシに様変わりします。
続いて、レイアウトを考えます。チラシデザインの設計図ともいえるレイアウトで意識すべきポイントは「見やすさ」と「読みやすさ」です。レイアウトの基本は紙面を3分割にすることです。3分割する方向は縦横どちらでも構いません。「キャッチコピーやタイトル」「写真やイラスト」「商品やサービスの説明」というようにはっきりと3つに区分すると、メリハリのついた見やすいチラシができあがります。強調させたいところは目立つようにバランスを考えてレイアウトしましょう。最初は白紙に鉛筆で下書きするような感じでイメージをまとめ、徐々に書き足していくとよいでしょう。
レイアウトが決まったら、印刷用のデータを作成します。本格的に作りたい人は、プロのデザイナーの多くが使う『Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)』や、『Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)』といった、デザイン専用ソフトで作成するのがおすすめです。しかし、使い慣れてない人にとっては操作が難しかったり、コストがかかったりするのが難点です。このようなソフトを使わなくても、パワーポイントやワード、エクセルなどでも作成できますし、チラシ作成のサイトを活用することもできます。最近は初心者の方でも作りやすいチラシ作成用のスマホアプリも充実しています。無料で利用できるものも多く、テンプレートや素材も豊富に揃っていておすすめです。プロ仕様のソフトにこだわらなくても、アプリでも十分魅力的なチラシを作成できます。
データが完成したらいよいよ印刷です。チラシ用紙には光沢感のあるコート紙・ある程度の厚みあるコート90kgがオススメの仕様です。印刷には、自宅の家庭用プリンターやコンビニのプリントサービスを利用するか、印刷会社へ依頼するのが一般的です。家庭用プリンターでも綺麗に印刷できますが、トナーカートリッジの予備が必要だったり、印刷に時間がかかったりするため、大量印刷には向いていません。コンビニを利用する場合は、USBメモリなどにデータを保存して持ち込むか、あらかじめインターネットでデータをアップロードして印刷します。家庭用プリンターよりもスピーディーに印刷できますが、100枚以上印刷する場合は、印刷会社へ依頼した方が、より高品質でコストも割安となるケースが多いでしょう。印刷方法は、スピード、コスト、品質、何を優先したいかを考えて決めましょう。
チラシの作成において、デザインは非常に重要です。どのようなデザインのチラシなら、読み手の目を引くことができるのでしょうか?配色や書体、レイアウトなど、デザインのコツを紹介します。
色が読み手に与える影響は大きく、チラシの色と商品やサービスがマッチしているかどうかは重要なポイントです。たとえば、赤色は安さを強調するときに、水色は涼感メニューや水道工事の宣伝に、黒色は深夜営業の店や男性向け商品の宣伝に適した色です。また、どこに何の色を使うかという「配色」も重要です。配色では、ベースカラーを70%、メインカラーを25%、アクセントカラーを5%に配分するのが理想です。注意したいのは、色を使いすぎることです。使う色が多すぎると、ごちゃごちゃして強調させたい部分がわからなくなってしまいます。チラシのイメージに大きく関わる色の持つ力をよく理解し、色相環を意識した作成を心がけましょう。
色と同様に、書体(フォント)も読み手の印象を大きく左右します。親しみやすさを出したいときは「ポップ体」、真面目な印象を与えたいときは「明朝体」というように、チラシのイメージやターゲット層に合った書体を選びましょう。一枚のチラシのなかで同じ書体ばかり使うとメリハリが出ず、書体を変えすぎてもまとまりが損なわれてしまうため、用いる書体は3種類までに抑えるのがおすすめです。2種類にして強調したいところだけ違う書体にするという方法でもよいでしょう。強調したい部分には、文字に「縁取り」や「白抜き」を施した装飾文字を使うと効果的です。
チラシのレイアウトには5つの法則があります。5つとは、「グループ分けする」「揃える」「反復させる」「コントラストをつける」「視線を誘導する」です。
「グループ分けする」は、関連する情報をグループごとに分けることです。似たような内容の情報は近づけてレイアウトすることで、読み手は情報を頭に入れやすくなります。グループごとに余白を取ったり、線や枠で囲ったりすると一層見やすくなるでしょう。
「揃える」には、さまざまな揃え方があります。文字を文頭で揃える「頭揃え」、真ん中で揃える「中央揃え」のほか、インデントで揃えたり、周囲の余白を揃えたりという方法があります。写真やイラストも、なるべく同じ大きさで揃えましょう。見た目を揃えることで整った印象になり、読みやすいチラシになります。
「反復させる」は、構造が同じ情報は一定のルールで繰り返すということです。たとえば、複数の店舗情報を載せる場合、店名・住所・電話番号をひとつのセットにして、このセットを繰り返すように各店舗情報を掲載していくと見やすくなります。
「コントラストをつける」は、文字の大小や太細、色を使い分けて、強調したい部分を目立たせることです。キャッチコピーをすべて同じ大きさや太さの文字にするよりも、重要な単語だけ書体や太さ、色を変えたり、接続詞を小さくしたりといった手法でメリハリをつけるとよいでしょう。
「視線を誘導する」は、人間の視線の動きを利用して読みやすくすることです。人間は、横書きの文章は左端から右端へ、その後、左斜め下から右へと「Z」の形で視線を動かす習性があります。この習性を活かしたレイアウトを考えましょう。
チラシ作成が初めてという方は、過去に自分が見て印象に残ったチラシを参考にするのがおすすめです。商品やサービスの内容が異なるチラシでも、デザインやキャッチコピーのレイアウトなど、参考にできる点は多いでしょう。インターネット上には無料で入手できるチラシのテンプレートも多数あります。それらを参考にしたり、作成前に気に入ったデザインのチラシをストックしておいたりするとよいでしょう。
チラシを配布すると、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか?チラシを活用することで得られる宣伝効果や役割について解説します。
チラシには、読み手の購買意欲をかき立て、商品を購入したりサービスを利用したりという行動に結びつける役割があります。チラシを見て購入した顧客がリピーターになることで、顧客の確保につながります。また、チラシを見た人から見ていない人にも口コミで情報が広がっていくことも期待できるでしょう。さらに、チラシはセールやイベントの告知など、短期間での集客を促したいときにも大いに活用できます。
集客につなげるためには、宣伝するものに興味を持ってもらう必要があります。チラシを見た人に、「これって何だろう?」「ちょっと欲しいかも」「使ってみたい!」といった興味関心を持ってもらえるかどうかが勝負です。チラシには、宣伝したいものに目を引かせ、認知してもらう役割があります。宣伝したいものを効果的に知らせる手段として、チラシを有効活用しましょう。
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