賀詞とは、年賀状に限らず手紙やハガキを送る際に使われる祝いの言葉です。定番の「寿」や「賀正」「謹賀新年」など1文字から4文字の言葉意外にも、「明けましておめでとうございます」といった文章など、種類が豊富です。
会社の上司、取引先の人に年賀状を送るときは、相手に適した賀詞を選ばなくてはなりません。目上の相手に年賀状を送る際にふさわしい賀詞の種類や文例を確認しましょう。
賀詞は1文字から文章のものまで種類が豊富です。目上の人に年賀状を送る前に、よく使われる賀詞とその意味を理解しておきましょう。
意味を理解しておけば、誰にどの賀詞を選ぶべきか自然とわかるようになります。
■1文字
寿:めでたい、よろこび、祝い
賀:祝い
福:幸せ、幸運、さいわい
吉:めでたい
禧:さいわい、よろこび、めでたい
■2文字
賀正:正月を祝う
初春:新春、新年
頌春:新年をたたえる
迎春:新春を迎える
■4文字
謹賀新年:謹んで新年をお祝いいたします
恭賀新年:うやうやしく新年をお祝い申し上げます
敬頌新禧:うやうやしく新しい年の喜びをおたたえ申し上げます
謹賀新春:謹んで新しい年をお祝い申し上げます
■文章
あけましておめでとうございます
新年おめでとうございます
新春のお慶びを申し上げます
■英文
Happy New Year:新年おめでとう
bonne annee!:良いお年を!
A Start of a New Year:新しい年の幕開け
賀詞を書くのは年賀状の裏面ですが、宛名面・裏面ともに年賀状の基本的な書き方は決まっています。年賀状を送るときのマナーを守るためにも、基本の書き方を覚えておきましょう。
宛名面には、一般的なハガキと同じように宛先と差出人の名前や住所を記入すれば問題ありません。
まずは宛先の郵便番号を書き、ハガキの右側から順に、宛先の住所・氏名を書きます。その後、ハガキの左下に自分の住所・氏名を書きましょう。
この時、郵便番号を書く欄の幅に収まるように書くとバランスが良く見えます。
企業や取引先の方に送る場合は、宛先を会社名にすることもあります。その際は、下記のように記載してください。
「○○株式会社 △△部 部長 明日来太郎様」
「○○株式会社御中」
「○○株式会社 △△部御中」
個人宛に年賀状を送る場合、部長や社長といった役職名ではなく、名前に「様」を付けましょう。企業や部署全体に送るのであれば、会社名や部署名に「御中」を付けてください。
また、年賀状に私製ハガキや年賀用以外のハガキを使うのであれば、切手の下に赤字で「年賀」と書きます。郵便局側に年賀状として扱ってもらえるため、新年の正しい時期に相手に届きます。
年賀状の裏面は次のように構成していきます。
1)賀詞
大きめの文字で記載します。
2)本文
本文には、次のような言葉を組みあわせて記載します。
・お礼や感謝、無事に年越しできたことを喜ぶ言葉を述べる
「昨年は大変お世話になりました」
「旧年中は何かとお世話になり ありがとうございました」
「旧年中は公私にわたり大変お世話になりました」 など
・今後の良い関係を願う言葉を述べる
「本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」
本年も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。」 など
・相手の幸せを願う・祈りの言葉を述べる
「皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます」
「皆様のご多幸と繁栄をお祈り申し上げます」 など
3)日付
迎える年の年号と日付を書きます。
「令和5年元旦」
4)手書きのメッセージを添える
送る相手にあわせて、心のこもったメッセージを添えると心象が良いでしょう。
友人や親戚相手なら転職や出産、趣味について触れたり、ビジネス関連の人に向けてなら、新年の抱負やこれからの目標を書いたりするのが一般的です。
このように年賀状の裏面は、大きく四つの構成となっています。
本文の内容を見るとわかりますが、区切りの意味がある「、」や「。」の句読点をつけるのはマナー違反です。友人や家族に贈る年賀状であればそれほど気にされませんが、上司や取引先など、目上の人に送る場合は句読点をつけないように注意しましょう。
また、「去」「失」「滅」などの忌み言葉の使用は避けます。新年を祝う年賀状には適さない言葉だからです。例えば、下記は一見問題のなさそうな文章に見えますが、「去」「失敗」と、忌み言葉が二つも使われています。
「今年は去年の失敗を挽回できるように精進いたします」
不幸を連想してしまいそうな忌み言葉を使うのではなく、下記の前向きな言葉を使った文章に書き換えましょう。
「今年は昨年以上に努力を重ね精進いたします」
「今年は昨年以上の成果を出したいと思います」
今年もご期待に添うべく誠心誠意サービス向上に専念いたします」
冒頭で賀詞の種類が豊富であることをお伝えしましたが、誰にどの賀詞を選んでも良いわけではありません。どの賀詞が送る相手に適しているかを確認しましょう。
友人など、相手を選ばずに使える賀詞はこちらです。
「明けましておめでとうございます」
「新春のお喜びを申し上げます」
「Happy New Year」 など
幅広い層に使えますが、親しい友人や家族など、ビジネスで関係のない相手に送るのが望ましいでしょう。
目上の人に年賀状を送る場合は、4文字以上の格式のある賀詞を使います。敬意が伝わるものを選ぶと良いでしょう。
「謹賀新年」
「恭賀新年」
「謹賀新春」
「敬頌新禧」
「謹んで新春のご祝詞を申し上げます」など
ここで文例をひとつご紹介します。
<文例1>
謹賀新年
旧年中はご厚情を賜り誠にありがとうございました
本年もよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます
<文例2>
敬頌新禧
昨年はご指導ご鞭撻を賜り誠に有難うございました
今年はご期待にそえるよう精励する所存でおります
まだまだ未熟で何かとご迷惑をおかけしますが
本年もご指導のほどよろしくお願いいたします
「謹」や「恭」には敬意が含まれているので、こちらを使えば目上の人に礼儀正しく新年の挨拶ができます。
取引先や過去の顧客など、ビジネスにて関わりがある人に送る年賀状ではこちらの賀詞を使いましょう。
「恭賀新年」
「恭賀新春」
「謹賀新年」など
ここで、上記の賀詞を使った文例をご紹介します。
<文例1>
恭賀新年
旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり
誠にありがとうございました
御社のますますのご発展を祈念しますとともに
本年も引き続きご芳情を賜りますようよろしくお願い申し上げます
<文例2>
恭賀新春
旧年中は格別のお引き立てにあずかり厚く御礼申し上げます
本年も一層のご愛顧を賜りますよう
よろしくお願いいたします
皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈りいたしております
<文例3>
謹賀新年
旧年中は格別のお引き立てにあずかり厚く御礼申し上げます
本年も一層のご愛顧を賜りますよう
よろしくお願いいたします
皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈りいたしております
ビジネス関連の人に送る場合、目上の人に送るときと同様、4文字以上の賀詞を使います。きちんとした印象を与えるために、文章ではなく4文字の賀詞を選ぶとよいでしょう。
また、年賀状の絵柄はデザインがシンプルかつ、色使いを抑えめにします。ゴールドなどの箔押しを控えると、品のある印象を与えられます。
賀詞を使用するときには、注意しておかなければならないことが三つあります。
年賀状を送る相手に失礼がないように、下記の点に注意しておきましょう。
年賀状は新たな年の幕開けを祝う目的で送ります。送る相手がお祝い事を避けたい状況にある場合、選ぶ賀詞にも注意を払う必要があります。
例えば、相手が前年に被災してしまい入院中の場合には、賀詞を使うことを避ける、もしくは寒中見舞いや年始の挨拶状を送る、などに変更した方が賢明です。
賀詞の代わりの言葉としては、下記を使うと良いでしょう。
「笑門来福」
「一陽来復」
「謹んで年頭のご挨拶を申し上げます」
「幸多き年でありますようにお祈りいたします」
上記を使った文例も二つご紹介します。
<文例1>
笑門来福
笑顔あふれる素晴らしい年になりますよう心からお祈り申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
<文例2>
昨年は大変お世話になりありがとうございました
皆様のご多幸をお祈り申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
このように、相手の気持ちに配慮しながら健康を祈る内容を意識します。絵柄は極力シンプルなものを選びつつ、明るい印象のデザインにしましょう。
「賀正」や「謹賀新年」などすでに賀詞が添えられている年賀状に、直筆で「あけましておめでとうございます」などと記入すると、賀詞が重複してしまいます。
また、「新年あけましておめでとうございます」の挨拶も「新年」と「あけましておめでとうございます」で賀詞が重複しているため注意しましょう。
見落としがちですが、賀詞の重複を避けるのは重要なポイントです。
「福」や「寿」、「賀正」や「賀春」などの1~2文字の賀詞には、敬意を示す言葉が含まれていません。
そのため、目上の人やビジネス関連でも、とくに上司や取引先の人には使わないようにしてください。
気心知れた友人や同僚であれば、1〜2文字の賀詞を使ってもかまいませんが、敬意を払いたいなら4文字以上の賀詞を使うのがおすすめです。
年賀状を書く際は、送る相手にあわせて賀詞を選びましょう。とくにビジネス関連の人には4文字以上の賀詞を選び、敬意を示すことが大切です。
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